GLP-1製剤は、もともと糖尿病治療薬で、海外では安全性から、痩身治療として使用されております。
日本でも、2019年ほどから徐々に浸透しております。ただ、GLP-1製剤を扱う糖尿病内科医や専門医ではないクリニックで安易に処方もされており、当院でも患者様に正確な情報をお伝えし、メリットとデメリットを知り、ダイエット治療を受けておられます。
ここでは、GLP-1ダイエットの副作用について解説していきます。
総称名 | ビクトーザ、サクセンダ |
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一般名 | リラグルチド(遺伝子組換え) |
欧文一般名 | Liraglutide(Genetical Recombination) |
製剤名 | リラグルチド(遺伝子組換え) |
薬効分類名 | ヒトGLP-1アナログ注射液 |
副作用
前提として、糖尿病患者向け資料です。参考ではありますが、
5%以上: 便秘と吐き気
1-5%:下痢、腹部不快感、消化不良、腹部膨満、嘔吐、腹痛、甲状腺腫瘤、 注射部位反応(紅斑、発疹、内出血、疼痛等)
が報告されています。
重大な副作用として
低血糖(頻度不明)
脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、知覚異常等の低血糖症状があらわれることがある。また、重篤な低血糖症状があらわれ意識消失を来す例も報告されている。
膵炎(頻度不明)
嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等。なお海外にて、非常にまれであるが壊死性膵炎の報告があります。
腸閉塞(頻度不明)
高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常
飲み合わせに注意が必要な薬剤
併用注意
糖尿病薬、ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、インスリン製剤 等
まとめ
このように他の薬剤と比べ安全な薬剤とはいえ、副作用も御座います。 医師の指導と管理が最も大切な薬剤ですので、安易に自身の判断での調整は絶対にしないでください。
当院では、まれに便秘や吐き気のある方がおられますが、当院が指示する用法用量を守って正しく使用することで、優れたダイエット効果が期待できます。
必ず、専門医が扱うクリニックで処方を受けてくださいませ。
主要文献
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