【医師解説】私に合ったダイエット薬の選び方|GLP-1・内服・併用まで解説

GLP-1メディカルダイエット

※この記事は、
「ダイエット薬を検討している方」
「GLP-1で痩せたい・続けたい方」
「どの薬を選べばいいか迷っている方」
に向けて、実際の診療経験をもとにまとめています。

ダイエット薬は「目的別」に選ぶ時代です。


ダイエットが続かないのは、意志の問題ではありません

「何度もダイエットに挑戦しているのに続かない」
「頑張っているのに思うように体重が落ちない」

こうしたお悩みは、意志が弱いからではありません
多くの場合、体質・食欲・食事内容・生活習慣に合わない方法を選んでいるだけです。

現在は、ダイエット薬を“目的別・役割別”に使い分けることで、無理なく結果を出す時代になっています。


ダイエット薬|役割別一覧表

① 太るのを防ぐ・体質改善

薬剤名主な役割向いている方
メトホルミン太りにくくする・血糖安定太りやすい体質、リバウンド予防
防風通聖散体質改善・便通改善便秘・むくみ・脂肪が気になる
スピロノラクトンむくみ改善夕方むくむ、体重変動が大きい

👉 まずは「太りにくい体」を作りたい方に向いています。


② 食事の影響を減らす

薬剤名抑えるもの向いている方
アカルボース糖の吸収炭水化物・間食が多い
オルリファスト脂の吸収脂っこい食事・外食が多い

👉 食事制限が苦手な方の“保険”として有効です。


③ 軽〜中等度の減量

薬剤名期待できる変化向いている方
ルセフィ月1kg前後の減量無理せず落としたい
リベルサス食欲低下・脂肪減少注射が苦手

👉 「少しずつ、でも確実に」派の方におすすめです。


④ しっかり減量(GLP-1)

薬剤名目安の減量特徴
ウゴービ体重5%前後食欲抑制が強い・続けやすい
マンジャロ体重10%前後(短期)効果最強クラス
ゼップバウンド体重10%前後(長期)継続性・バランス良

👉 **「食欲そのものをコントロールしたい方」**が対象です。


悩み別|おすすめの薬の組み合わせ

お悩みおすすめ組み合わせ院長コメント
太りやすい体質メトホルミン防風通聖散まずは体質から整える
食べ過ぎてしまうリベルサス or ウゴービ意志よりホルモン対策
外食・脂っこい食事アカルボース+オルリファスト食事制限が苦手でもOK
月1kgほど落としたいルセフィ防風通聖散無理なく継続
短期で10%減マンジャロ医師管理が必須
長期で10%減ゼップバウンドメトホルミンorルセフィ減量+維持を重視
むくみが気になるスピロノラクトン脂肪ではなく水分対策

ダイエットは「一つの薬」や量が多ければすぐ痩せるわけではない。

多くの方が「この薬が一番痩せますか?」と聞かれますが、正解は NO です。

ダイエット薬は、「どれが一番痩せるか」ではなく、 「どの段階で、何を組み合わせるか」が重要です。

  • 体質を整える
  • 食事の影響を減らす
  • 食欲を抑える
  • 減量後に維持する

これらを段階的・組み合わせて考えることが成功の近道です。

例ですが、、

ゼップバウンドについて

ゼップバウンドの臨床試験の結果ですが、ゼップバウンドの量が10mgでも15mgでも20週までの減量スピードは全く同じでした。そして24週から10mgでは減量がストップし、15mgではそのままさらに減量しています。当院では、このデータをもとに2,5mgか5mgで減量スピードをチェックし、減量がストップしてきたら増量する。これが最も体への負担が少なく無駄がありません。お客様のゴールが10キロを最短で痩せるだとしたら、徐々に増量していくことが最も時間もコストバランスも良いということになります。臨床的には、ゼップバウンド5mgで痩せなくなった場合、脂肪がメインなら増量するかルセフィ、メトホルミンを併用。むくみが大きい場合スピロラクトンを併用し、いずれもうまくダイエットしております。15mgになると副作用を感じる方が増えていくのでできれば10mgまでに抑えるようにしております。ダイエット達成後はリバウンドしないために、ゼップバウンド2,5mgを2週に1回投与と減量しルセフィ、メトホルミンでキープすることが多いです。


ウゴービについて

ウゴービはゼップバウンドと同様に2023年厚生労働省承認の肥満症治療薬ですが、薬効が少し異なり食欲抑制効果が高いです。減量幅はゼップバウンドより小さいものの5キロ程度の減量でよければウゴービの方で十分だと考えています。副作用は最初の一週間や増量時の一週間で吐き気を感じる方がいますが徐々になくなります。この辺りはサクセンダやリベルサスと同様でGLP単剤の場合に起こりやすいです。以下の臨床試験ではウゴービ最大容量の2,4mgでの減量結果です。ゼップバウンドと同様に20週までは増量により減量していくことが予想されます。当院では0,25mg→0,5mg→1mgと増量していく方針です。ゼップバウンドよりもコストも体にも優しい印象です。ウゴービはサクセンダの次世代薬のポジションです。(サクセンダ、ウゴービともにノボノルディスク社)

当院のダイエット治療の考え方

当院では、無理な食事制限や効果だけを優先した薬選びは行いません。

**「続けられるか」「生活に合うか」**を重視し、一人ひとりに合った治療プランをご提案します。


まとめ|「私に合った方法」が一番の近道です

ダイエットは、
**「頑張るもの」ではなく、「合った方法を選ぶもの」**です。

  • 自分に合う薬が知りたい
  • 何から始めればいいかわからない
  • 強い薬は少し不安

そう感じている方も、決して少なくありません。

私はダイエット治療に専門的に携わって約7年、これまで延べ5,000人以上の、さまざまな生活習慣や性格の方のダイエット相談に向き合ってきました。

大切にしているのは、「無理なく続けられること」**「その人の人生に合っていること」**です。

当院では、専門医師およびスタッフが、複数の選択肢の中から、あなたが納得して続けられるダイエット方法をご提案しています。

ダイエットは、人生そのものです。ストレスを抱えながら我慢するものではありません。

楽しく痩せて、リバウンドしない習慣を、一緒に見つけていきましょう。

プライベートクリニック恵比寿の院長美山です。
監修医 美山