こんにちは。プライベートクリニック恵比寿 院長の美山です。
「夜になると目が冴える」
「疲れているのに眠れない」
「検査では異常がないのに調子が悪い」
こうした方の多くに共通しているのが、自律神経の乱れです。
今回は、不眠と自律神経がなぜ深く関係しているのか、医師の立場から、できるだけわかりやすく解説します。
そもそも自律神経とは?
自律神経は、私たちの体を無意識にコントロールしている神経です。大きく分けて2つあります。
- 交感神経:活動・緊張・昼モード
- 副交感神経:休息・回復・夜モード
健康な状態では、昼は交感神経、夜は副交感神経という切り替えが自然に行われています。
不眠症は「夜になってもブレーキがかからない状態」
眠れない方の多くは、夜になっても交感神経が優位なままです。つまり、体はこうなっています。
- 頭はフル回転
- 心拍はやや速い
- 筋肉は緊張
- 呼吸は浅い
この状態で「寝よう」としても、アクセルを踏んだままブレーキを踏もうとしているようなものです。眠れなくて当然です。
自律神経が乱れる主な原因
① ストレスの蓄積
仕事・人間関係・将来不安など、ストレスは交感神経を刺激します。
問題なのは、ストレスがなくなっても神経が切り替わらなくなることです。
② スマホ・情報過多
夜遅くまでのスマホ・SNS・ニュースは、
- 光刺激
- 情報刺激
- 感情刺激
を同時に脳へ与えます。これが、自律神経を「昼モード」のまま固定してしまいます。
③ 生活リズムの乱れ
- 寝る時間が毎日違う
- 朝日を浴びない
- 食事時間が不規則
こうした習慣も、自律神経の切り替えを鈍らせます。
自律神経の乱れは「不眠以外」にも現れます
不眠と同時に、こんな症状はありませんか?
- 動悸
- 息苦しさ
- 胃腸の不調
- めまい
- 慢性的な疲労感
- 理由のない不安感
これらはすべて、自律神経の乱れで説明できる症状です。
自律神経を整えるためにできること
① 「頑張って寝ない」
眠ろうと頑張るほど、交感神経は優位になります。
👉 意識してほしいこと
「眠れなくても、体を休めているだけでOK」
② 呼吸で神経を切り替える
簡単ですが、非常に効果的です。
- 鼻から4秒吸う
- 口から6秒かけて吐く
- 吐く時間を長めに
呼吸は、自律神経に直接アプローチできる数少ない方法です。
③ 夜は「刺激を減らす」
- 明るい照明を避ける
- スマホは早めに終了
- 音・情報を減らす
夜は意識的に退屈でOKです。
それでも整わない時は、医療の力を借りていい
生活改善だけで自律神経が整う方もいますが、すでに不眠が長引いている場合、切り替えスイッチ自体が壊れかけていることもあります。その場合は、
- まず「眠れる状態」を作る
- 自律神経を休ませる
- 徐々に薬を減らす
というアプローチが有効です。
自律神経タイプの不眠には、デエビゴ・クービビックという選択肢もあります
近年、不眠治療では「脳を強く眠らせる」のではなく、「覚醒をやさしく弱める」という考え方が主流になってきています。
その代表的なお薬が、デエビゴやクービビックです。
これらは
- 自律神経を無理に抑え込まない
- 自然な眠りに近い
- 夜中に目が覚めやすい方にも使いやすい
といった特徴があります。
「緊張が抜けない」
「頭は疲れているのに眠れない」
「夜になると不安が強くなる」
こうした自律神経が関与する不眠では選択肢のひとつになります。
不眠の治療は「その人に合った方法」を選ぶことが大切です

- 生活習慣の調整
- 呼吸や考え方の切り替え
- ゾルピデムによる短期リセット
- デエビゴ・クービビックによる自律神経型不眠への対応
不眠には、正解がひとつではありません。当院では、「できるだけ自然に」「必要な分だけ」を大切にしながら、一人ひとりに合った治療をご提案しています。眠れない夜が続いている方は、どうか我慢しすぎず、ご相談ください。眠りは、回復力そのものです。取り戻せば、日常はちゃんと楽になります。
まとめ|不眠は「自律神経のサイン」です
- 不眠=気持ちの問題ではない
- 多くは自律神経の切り替え不全
- 早めに整えるほど回復は早い
眠れない夜は、体が「そろそろ休ませてほしい」と出しているサインです。
無理に我慢せず、必要な時は治療という選択をしてください。
眠れるようになると、体だけでなく、心の余裕も戻ってきます。
(夜が静かに終わると、朝がちゃんと始まります)

