― 美容外科医が原因をわかりやすく解説 ―
脂肪吸引後に
「皮膚が引っ張られる感じがする」
「動かすとへこむ」
「影ができて目立つ」
このような**ひきつれ(凹み・凹凸)**に悩まれる方は少なくありません。今回は、なぜ脂肪吸引でひきつれが起こるのかを、医師の立場から解説します。
結論から言うと
脂肪吸引後のひきつれは、
**「脂肪を取ったから」ではなく、「皮下で癒着(くっつき)が起こるから」**です。
そもそも脂肪吸引で何が起きている?
脂肪吸引は、カニューレという細い管を皮下に入れ、脂肪層を物理的に吸引する手術です。
このとき、脂肪だけでなく
- 脂肪を包む結合組織
- 細かな血管
- 皮下の支持構造
にも必ずダメージが加わります。 これは「失敗」ではなく、手術である以上避けられない反応です。
ひきつれが起こるメカニズム①
皮下で「瘢痕(はんこん)」ができる
手術後、体は傷を治そうとして**線維化(瘢痕形成)**を起こします。
- 脂肪層に瘢痕ができる
- その瘢痕が皮膚側と深部をつなぐ
これが進むと、皮膚が内側に引っ張られる状態になります。これが「ひきつれ」の正体です。
ひきつれが起こるメカニズム②
脂肪の取りムラ・取りすぎ
脂肪吸引では、層や部位によって脂肪の量が均一にならないことがあります。
- 一部だけ脂肪が少ない
- 支えがなくなった皮膚が落ち込む
その結果、
👉 動かしたときに凹みが強調される
👉 影として目立つ
といった症状につながります。
ひきつれが起こるメカニズム③
皮膚と深部組織の癒着
術後の炎症や内出血が強いと、皮膚とその下の組織が直接くっついて治ってしまうことがあります。
この状態では
- 笑う
- 首を動かす
- 口を開ける
などの動作で、皮膚だけが引っ張られて見えるのです。
「上手い医師なら起こらない」のか?
これは誤解されやすい点です。
✔ 技術が高いほどリスクは下がります
✔ しかし ゼロにはできません
特に
- 顎下
- フェイスライン
- 二の腕
- 太もも内側
など、皮膚が薄く動きやすい部位では、どうしても起こりやすい傾向があります。
ひきつれは「時間が経てば治る」?
軽度の場合、術後3〜6か月で自然に目立たなくなることもあります。
しかし、
- 6か月以上経っても改善しない
- 動かすと明らかに凹む
- 触ると硬い
このような場合は、 癒着が完成してしまっている可能性があります。
ひきつれは治療できる?
はい、治療可能です。
治療の考え方はシンプルで、
という段階的アプローチを行います。
「削る治療」ではなく、皮膚を自然に動かせる状態に戻す治療(サブシジョン)です。

まとめ
脂肪吸引後のひきつれは、脂肪を取ったから起こるのではなく、皮下で癒着が起こることで生じます。状態に応じて、改善できる方法があります。

プライベートクリニック恵比寿 院長 美山
