肝斑にレーザーを照射って大丈夫?肝斑治療との向き合い方

シミ・そばかす 美肌

女性の肌のお悩みとして挙げられることも多い肝斑ですが、レーザー治療を行うと悪化のリスクがあることをご存知でしょうか?この記事では肝斑にはどういった治療が適切なのか、また治療の際の注意点をご紹介していきます。

▼【目次】
①肝斑とは?
②肝斑治療の注意点
③肝斑に効果的な治療とは?
④まとめ

①肝斑とは?

肝斑は、両頬の左右対称にできる薄茶色のシミで、主な原因は女性ホルモンの乱れといわれております。
女性ホルモンのバランスが崩れると、メラノサイトが活性化されて黒色メラニンが多くつくり出され、それがシミとなってあらわれたのが肝斑です。
更年期にさしかかって女性ホルモンのバランスが崩れがちな30代後半から50歳位の女性にできやすいとされています。また、妊娠中やピルの使用によってホルモンバランスに変化があったときに発生する場合もあります。

②肝斑に効果的な治療とは?

内服薬

肝斑の治療には、シミのもとであるメラニンを作り出すメラノサイトに働きかけ、色素沈着抑制効果を発揮して肝斑を改善するトラネキサム酸の内服がおすすめ。トラネキサム酸は、メラニン発生の要因のひとつと考えられるメラノサイト活性化因子「プラスミン」をブロックすることで、肝斑の原因となるメラニンの発生を抑制し、この結果肝斑を薄くする作用があります。

外用薬

肝斑の治療には、トレチノインとハイドロキノンの外用も有効な治療となります。
トレチノインとはビタミンA誘導隊の一種で、皮膚の細胞サイクルを活発にさせます。 米国ではしわ・ニキビの治療医薬品としてFDAに認可されており、非常に多くの患者さんに皮膚の若返り薬として使用されています。
ハイドロキノンは、日焼けやシミの原因になるメラニン色素を抑制する効果がとても高い成分で、できてしまったシミを薄くする効果があるだけではなく、シミ予防効果もあります。トレチノインとハイドロキノンを併用することでシミの元となるメラノサイトを抑制します。

レーザートーニング

肝斑にレーザー治療は禁忌とされていましたが、レーザートーニングという治療によりレーザーでの治療が可能となりました。
レーザートーニングとは、炎症やかさぶたにならない程度のごく弱い出力のレーザーを当て、メラニンの生成を抑制し、少しずつメラニンを減らしていく治療法のことです。

ケミカルピーリング

肝斑治療において、ケミカルピーリングは、メラニンの除去を加速するのに役立ちます。グリコール酸、サリチル酸、レチノイン酸などの表面的なピーリングは炎症などの合併症リスクが少なく、色素沈着の増悪のリスクもほとんどない傾向があるため、肝斑治療も効果的です。

③肝斑治療の注意点

肝斑にレーザー治療を行うことは、メラニン色素を活性化させる恐れがあるため避けられてきました。しかし肝斑は、ご本人が気づいていなくても日光性色素斑と肝斑が混在しているケースが多くあります。診察時に隠れた肝斑を見つけらないままIPLやシミレーザーを当てることによって一時的に肝斑が悪化するリスクがあります。また一度治療を受ければもう肝斑はできないとは限りません。これらの治療に加えて重要なのが遮光です。紫外線にあたり続けていればせっかくの治療も水の泡と言えます。肝斑治療中は日焼け止めをこまめに塗るなどして遮光を心がけてください。

まとめ

肝斑だけではなく、しみの治療においては、熟練した医師によるしみの種類の正しい診断が最も重要です。
当院では、経験豊富な医師が一人ひとりカウンセリングしておりますので、肝斑やシミでお悩みの方は是非当院にご相談ください。