こんにちは。
プライベートクリニック恵比寿 院長の美山承哲です。
本日は、美容医療で非常に人気のあるボトックス注射について、「打ち続けていたら効かなくなった」という声の原因にもなる
**「抗体」**についてお話ししたいと思います。
◆ ボトックスに抗体ができるとは?
ボトックスとは、ボツリヌストキシンという筋肉の動きを一時的に弱めるタンパク質製剤です。
この「タンパク質」であることがポイントで、体が異物と判断して免疫反応を起こすと「中和抗体」ができてしまうことがあります。
この抗体ができると、効果が弱くなったり、まったく効かなくなる可能性があります。
◆ 抗体ができやすくなる条件とは?
以下のようなケースでは、抗体ができやすくなると報告されています。
① 投与量が多すぎる
医療目的(痙縮治療など)で1回300単位以上使用するような高用量のケースでは、抗体形成のリスクが上がるとされています。
② 打つ頻度が高すぎる
3ヶ月以内の間隔で繰り返し打つと、抗体形成リスクが高まるといわれています。「気になったらすぐ打つ」というスタイルは要注意です。
③ 製剤の不純物(複合タンパク質)が多い
製剤に含まれる不要なタンパク質(複合タンパク質)が多いほど、免疫系が反応しやすくなります。製剤によって抗体リスクに差があるのはこのためです。
④ 長期間にわたる過剰な使用
美容目的でも、数年間にわたって高頻度・高用量で繰り返すと抗体形成のリスクは高まります。
◆ 抗体をできにくくするためのポイント
抗体リスクを避けつつ、効果を長く保つためには以下のポイントを意識しましょう。
| 対策 | 内容 |
|---|---|
| ✅ 適切な間隔を空ける | 基本的に3〜4ヶ月以上の間隔が推奨されます |
| ✅ 必要最小限の単位で効果を出す | 「多ければ多いほど良い」わけではありません |
| ✅ 高純度の製剤を選ぶ | 例:ゼオミン、ナボタ、ボツラックスなどは不純物が少なめ |
| ✅ ドクターと効果を相談しながら調整する | 回数や単位数は個人差が大きいため、医師との相談が不可欠です |
◆ 美容目的では抗体ができる可能性は低い
結論から言うと、美容目的で300単位までに適切にボトックスを打っている限り、抗体ができるリスクは非常に低いと考えられています。例えば以下のような使い方であれば、問題になることはまずありません。
| 施術部位 | 推奨単位 | 推奨頻度 |
|---|---|---|
| 額・眉間・目尻など | 各10〜20単位 | 3〜4ヶ月おき |
| エラ・肩 | 40〜100単位 | 4〜6ヶ月おき |
| 小顔スキンボトックス | 30〜50単位 | 3ヶ月おき |
◆ まとめ
✔️ ボトックスに抗体ができることはある
✔️ しかし美容目的の使用では、適量・適切な間隔を守ればリスクは非常に低い
✔️ 効果が弱くなったと感じたら、抗体以外の原因(筋肉の発達、代謝、注入技術など)もあるため、まずはご相談ください
◆ 最後に
当院では、効果が高く、それでいて抗体リスクの少ない製剤選びと注入量の設計を徹底しています。
患者さま一人ひとりに合わせた最適なボトックス治療をご提案いたします。私は10年美容外科医をしてボトックスが効かなくなった方を見た方は2名のみです。どちらも300単位以上を毎月行っておりました。
「ボトックスが効かなくなったかも…」
「どれくらいの頻度で続けるのがベスト?」
そんなお悩みがある方は、お気軽にご相談くださいね。
📍 プライベートクリニック恵比寿
院長 美山承哲

