こんにちは。プライベートクリニック恵比寿 院長の美山です。
「布団に入っても目が冴えてしまう」
「考え事が止まらず眠れない」
「寝ようとすると逆に緊張する」
こうしたご相談はとても多く、不眠は誰にでも起こりうる身近な症状です。
今回はまず自分でできる対処法 → それでも眠れない場合の治療という流れでお話しします。
まず試してほしい、眠れない時の対処法
①「寝よう」と頑張りすぎない
眠れない最大の原因は、「眠らなければ」というプレッシャーです。
- 早く寝なきゃ
- 明日がつらくなる
- 眠れない自分が不安
こうした考えが、脳をさらに覚醒させます。
ポイント
「横になって目を閉じているだけでも休息になる」
そう考えてください。
② 寝床で考え事をしない

ベッドは「考える場所」ではなく「休む場所」です。
- 仕事のこと
- 将来の不安
- 人間関係
考え始めたら、一度布団を出ても構いません。
おすすめ
- 明かりを落として静かに過ごす
- 眠くなってから再び布団へ
「布団=眠れない場所」と脳に覚えさせないことが大切です。
③ スマホ・SNSは一旦手放す
寝る直前のスマホは、不眠を助長する代表例です。
- 強い光
- 情報刺激
- 感情の揺れ
これらが脳を覚醒させます。
👉 どうしても触りたい場合
- 明るさを最小に
- SNSやニュースは避ける
- 音楽や音声のみがおすすめ
④ 呼吸を「ゆっくり」に意識する

眠れない時は、呼吸が浅く速くなっています。簡単な方法です。
- 鼻から4秒吸う
- 口から6秒かけて吐く
- これを数分繰り返す
吐く時間を長くすることで、副交感神経が働きやすくなります。
それでも眠れない夜が続くなら
ここまで試しても
- 寝つけない
- 途中で目が覚める
- 翌日に支障が出ている
場合は、我慢し続ける必要はありません。不眠は「気合」では治りません。
短期的な不眠改善にゾルピデムという選択肢
ゾルピデム(マイスリー)は、主に入眠を助ける目的で使われる睡眠導入薬です。特徴として
- 寝つきを改善しやすい
- 翌朝に残りにくい
- 依存性が比較的低い
とされています。
当院での考え方
- 長期連用は前提にしません
- 眠れる感覚を取り戻すための短期使用
- 状態を見ながら減量・中止を検討
「一度きちんと眠れる」だけで、
不眠は驚くほど改善に向かうことがあります。
まとめ|眠れない夜は、治療してもいい
- まずは生活・考え方・呼吸から整える
- それでも無理なら治療という選択肢がある
- 不眠は放置しない方が回復が早い
眠れないこと自体が、治療の対象です。
「薬に頼る=弱い」ではありません。眠る力を取り戻すための、ひとつの手段です。
眠れない夜が続くようでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
眠れるようになると、朝の世界が少し明るく見えます。(カーテンを開けた瞬間の光が、ちゃんと気持ちいいです)

