市販とクリニックのレチノール、何が違う?|濃度・種類・選び方の考え方

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市販とクリニックのレチノール、何が違う?
濃度・種類・選び方の考え方

ドラッグストアにも、通販にも、そしてクリニックにも「レチノール」があります。値段も濃度もさまざまで、何を基準に選べばよいのか分かりにくいのが正直なところではないでしょうか。この連載の最終回では、市販品と医療機関で扱うものの違いを整理し、自分に合ったものをどう選ぶかという考え方をお伝えします。どちらが優れているという話ではなく、それぞれに向いている場面がある、というのが結論です。

おさらい|レチノイドの種類と強さ

第1回でお伝えしたとおり、「レチノイド」という大きなくくりの中には複数の種類があります。ここであらためて整理しておきます。

種類特徴主な扱い
パルミチン酸
レチノール
おだやかなタイプ。刺激が出にくい一方、はたらきかけもゆるやか 化粧品
レチノール もっとも広く使われるタイプ。市販品の中心 化粧品
レチナール レチノールより一段強いとされるタイプ 化粧品・医療機関
トレチノイン
(レチノイン酸)
もっとも作用が強く、反応も出やすい。医師の管理下で使用 医療機関

肌の上ではたらくとき、これらは段階的に変換されていくという関係にあります。表の下にいくほど変換の手数が少なく、そのぶん作用も反応も出やすくなる——おおまかにはそう理解していただければ十分です。

市販品とクリニックのもの、何が違うのか

違いは大きく3つあります。

1. 扱える種類が違う

トレチノインのように作用が強いものは、医師の判断のもとでしか扱えません。市販の化粧品に配合できる成分と濃度には、法律上の枠があります。

2. 濃度の幅が違う

市販品にも濃度表示のあるものが増えましたが、医療機関ではより幅広い濃度から選択できます。低いところから始めて段階的に上げていく、といった調整もしやすくなります。

3. 「選ぶ人」が違う

これがいちばん大きな違いかもしれません。市販品はご自身で選び、ご自身で判断します。医療機関では、肌の状態を診たうえで、種類・濃度・使い方を組み立てます。反応が出たときに相談できる相手がいる、という点も含めての違いです。

「濃度が高い=良い」ではない理由

ここは誤解が多いところなので、はっきりお伝えします。

レチノールは、濃度が高いほど良い成分ではありません。第3回でもお話ししたとおり、強く使えば早く結果が出るという性質のものではないからです。

濃度が高ければ、そのぶん反応も出やすくなります。反応が強く出て使用を中断してしまえば、低い濃度で無理なく続けた場合よりも、結果的に得られるものは少なくなります

大切なのは「その人の肌が、いま受け止められる強さ」を選ぶこと。高濃度のものが合う方もいれば、低濃度から時間をかけたほうがよい方もいます。スペックの比較ではなく、自分に合うかどうか——選ぶ基準はここに尽きます。

市販品が向いている方/相談を検討したい方

どちらが良い・悪いではありません。状況によって、適した入り口が変わります。

市販品から始めても問題ない方

  • これまで大きな肌トラブルの経験がない
  • まずは試してみたい、という段階にある
  • 低濃度のものを、指示どおりに使う自信がある

一度相談を検討したい方

  • 過去にレチノールで強い反応が出た
  • 敏感肌で、化粧品が合わないことが多い
  • ニキビや肝斑など、別の肌悩みも並行して抱えている
  • 市販品をしばらく使ったが、続け方が分からなくなった
  • 妊娠中・授乳中、または妊娠を計画している
  • 他の外用薬や施術と併用してよいか判断がつかない

選ぶときに見ておきたいポイント

市販品を選ぶ場合、次の3点を確認しておくと失敗が減ります。

  • 種類と濃度が明記されているか/「レチノール配合」とだけ書かれ、何がどれだけ入っているか分からないものは判断できません
  • はじめての方向けの濃度か/最初から高濃度を選ばないこと。低いところから始めるのが基本です
  • 保湿を併用できる設計か/レチノール単体ではなく、保湿とセットで使える形になっているかを見てください

まとめ|連載を振り返って

全4回にわたって、レチノールについてお話ししてきました。

ビタミンAの仲間であること。肌の土台に時間をかけて働きかける成分であること。始め方を間違えなければ続けられること。そして、強さやスペックではなく自分に合うかどうかで選ぶものであること。

この4つが伝わっていれば、この連載の役割は果たせたと思います。

この記事のポイント

  • レチノイドには複数の種類があり、作用の強さと反応の出やすさが段階的に異なる
  • 市販品と医療機関の違いは、扱える種類・濃度の幅・誰が選ぶかの3点
  • 濃度が高いほど良いわけではなく、続けられない濃度は選ばないほうがよい
  • 肌トラブルの経験や併存する悩みがある場合は、相談してから始めるのが安心
  • 市販品を選ぶ際は、種類・濃度の明記と、低濃度から始められるかを確認する

「自分にはどの種類・どのくらいの濃度が合うのか」「今のスキンケアに組み込んで問題ないか」といったご質問は、肌の状態を診たうえでお答えできます。判断に迷ったときは、一度ご相談ください。

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※本記事は成分に関する一般的な情報をお伝えするものです。効果や反応の出方には個人差があります。実際の使用にあたっては、医師にご相談ください。

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