二の腕の脂肪吸引後に残るボコつき・引っかかり感

脂肪吸引

癒着をサブシジョンで剥がして、なめらかに修正する方法

二の腕の脂肪吸引を受けた後、

「表面がボコボコしている」
「腕を動かしたときに皮膚が引っ張られる」
「一部分だけ皮膚がへこんで見える」
「触ると硬く、皮膚が動きにくい」
「細くはなったけれど、なめらかなラインではない」

といったお悩みを感じることがあります。

脂肪吸引直後は腫れやむくみ、皮下組織の硬さが出るため、一時的に凹凸が目立つことは珍しくありません。

しかし、術後半年程度が経過しても同じ場所にへこみや引きつれが残る場合、皮膚と深部組織の間に生じた癒着や線維化が関係している可能性があります。

このような癒着による凹凸や引っかかり感に対して行う治療の一つが、サブシジョンです。


脂肪吸引後の「癒着」とは?

脂肪吸引では、皮膚の下にある脂肪層へカニューレを挿入し、脂肪を吸引します。

施術後、脂肪を取り除いたスペースが治癒していく過程で、皮下に瘢痕組織がつくられます。これは傷が治るための正常な反応ですが、一部で瘢痕組織が強く形成されると、皮膚と筋膜などの深い組織が固定されてしまうことがあります。

これが、脂肪吸引後にみられる「癒着」の一つです。

癒着した部分では皮膚が深部に引っ張られるため、

  • 一部分だけへこんで見える
  • 腕を動かすとへこみが強くなる
  • 皮膚をつまんでも動きにくい
  • 腕を上げたときにつっぱる
  • 皮膚の下に硬いすじを触れる
  • 特定の方向に動かすと引っかかる

といった症状が現れることがあります。

特に、筋肉を動かしたときにへこみや引きつれが強くなる場合は、皮膚や皮下組織が深部に癒着している可能性を考えます。脂肪吸引後の陥凹についても、深部への線維性癒着がある場合は筋肉の収縮によってへこみが目立つことが報告されています。


二の腕は凹凸や引きつれが目立ちやすい部位です

二の腕は、単純な平面ではなく、腕を一周する立体的な構造をしています。

また、

  • 部位によって脂肪の厚みが異なる
  • 腕を上げ下げするたびに皮膚や筋肉が動く
  • 皮膚が薄い部分ではわずかな段差も目立ちやすい
  • 脂肪だけでなく皮膚のたるみも関係する
  • わきや肘付近にはもともと強い支持組織がある

といった特徴があります。

そのため、二の腕の脂肪吸引では左右差、凹凸、皮膚のたるみなどを総合的に評価する必要があります。上腕は脂肪の構造や皮膚のゆるみの影響を受けやすく、輪郭の不整や左右差が生じやすい部位とされています。


ボコつきの原因は癒着だけではありません

脂肪吸引後の凹凸を、すべてサブシジョンで治せるわけではありません。

考えられる原因には、主に次のようなものがあります。

1.癒着・線維化

皮膚や皮下組織が深い組織に固定され、へこみや引きつれが生じている状態です。

腕の動きによって形が変わる、皮膚が動きにくい、特定の場所だけ深くへこむ場合に疑います。

2.脂肪の取りすぎ

脂肪層が薄くなりすぎ、皮膚と筋肉との間のクッションが不足している状態です。癒着の解除だけでは改善が不十分で、ヒアルロン酸注入や脂肪注入など、失われたボリュームを補う治療が必要になることがあります。

3.脂肪の取り残し

周囲より脂肪が厚く残り、盛り上がりや段差として見えている状態です。この場合、サブシジョンではなく、少量の修正脂肪吸引が適している可能性があります。

4.皮膚のたるみ

脂肪吸引後に余った皮膚が収縮しきらず、波打って見える状態です。皮膚のたるみが主体の場合は、サブシジョンだけで十分な改善を得ることは難しく、皮膚の引き締め治療や上腕の皮膚切除を検討することがあります。

5.術後の腫れや一時的な硬さ

脂肪吸引後しばらくは、むくみや拘縮によって硬さや凹凸が生じます。

術後早期の凹凸は時間とともに改善することがあるため、すぐに再手術を行うのではなく、経過を見ることも重要です。脂肪吸引後に生じた輪郭の不整については、少なくとも6か月程度はマッサージなどを含む保存的な経過観察を行う考え方も報告されています。


サブシジョンとは?

サブシジョンは、皮膚の小さな針穴から専用の針やカニューレを挿入し、皮膚を深部へ引っ張っている硬い瘢痕組織や線維性の癒着を物理的に切り離す治療です。

皮膚表面を大きく切開するのではなく、皮膚の下で癒着を剥がしていきます。

サブシジョンは、もともとニキビ跡などの陥凹性瘢痕に対して行われてきた治療です。皮膚を下方向へ引っ張っている線維性組織を解除し、表面のへこみを持ち上げるという考え方に基づいています。

脂肪吸引後の修正においても、診察や触診によって癒着が凹凸の主な原因と判断された場合には、同様の考え方で癒着を解除します。

ただし、脂肪吸引後の線維化に対する治療は、まだ統一された治療法が確立しているわけではありません。状態に応じて脂肪吸引、脂肪注入、瘢痕組織の解除、皮膚切除などを組み合わせる必要があります。


二の腕のサブシジョンで期待できる変化

癒着が原因となっている場合、サブシジョンによって次のような改善が期待できます。

  • 深く引き込まれたへこみを浅くする
  • 腕を動かしたときの引っかかりを軽減する
  • 皮膚の動きを改善する
  • ボコついた二の腕のラインをなめらかにする
  • つっぱり感や違和感を軽減する

ただし、癒着の範囲や強さ、残っている脂肪の厚み、皮膚のたるみなどによって、改善の程度は異なります。

完全に凹凸をなくすことではなく、現在よりも自然でなめらかな状態を目指して治療計画を立てます。


当院で重視している診察

脂肪吸引後の修正では、見た目だけでなく、皮膚や皮下組織の動きを確認することが重要です。

診察では、

  • 腕を下ろした状態
  • 腕を上げた状態
  • 肘を曲げた状態
  • 上腕の筋肉に力を入れた状態
  • 皮膚をつまんだときの動き
  • 硬い瘢痕組織の位置
  • 脂肪の厚み
  • 左右差
  • 感覚異常や痛みの有無

などを確認します。

腕を動かしたときにへこみが深くなる場合と、どの姿勢でも同じようにへこんでいる場合とでは、原因や治療方法が異なることがあります。

サブシジョンを行う前に、癒着、脂肪の不足、脂肪の取り残し、皮膚のたるみのどれが主体なのかを見極めます。


治療の流れ

1.診察・マーキング

立った状態や腕を動かした状態で凹凸を確認し、癒着している可能性がある範囲をマーキングします。

可能であれば、脂肪吸引前後の写真や手術記録も確認します。

2.局所麻酔

治療範囲に局所麻酔を行います。

3.癒着の解除

皮膚の小さな針穴から器具を挿入し、皮膚を引き込んでいる硬い組織を少しずつ解除します。

癒着を剥がしすぎると、新たな凹凸や出血につながる可能性があるため、必要な範囲を確認しながら慎重に行います。

4.状態に応じた追加治療

癒着を解除した後も陥凹が残る場合は、ヒアルロン酸注入や脂肪注入などでボリュームを補うことがあります。

一方、盛り上がっている部分には修正脂肪吸引が必要になることがあります。

5.圧迫・経過観察

治療後は状態に応じて圧迫を行います。内出血や腫れの経過を確認するため、必要に応じて再診していただきます。


サブシジョンとヒアルロン酸を併用する理由

サブシジョンは、皮膚を引っ張っている癒着を解除する治療です。

一方、ヒアルロン酸注入は、脂肪を取りすぎた部分やボリュームが不足している部分を内側から補う治療です。また、再癒着を防ぐ効果も大きいです。

つまり、

  • 引っ張られている部分をサブシジョンで剥がす
  • 不足している厚みをヒアルロン酸で補い再癒着を防ぐ

というように、それぞれ役割が異なります。

癒着を残したままヒアルロン酸だけを注入すると、注入剤が均一に広がらなかったり、へこみが十分に持ち上がらなかったりすることがあります。

そのため、癒着とボリューム不足が両方ある場合には、先に癒着を解除し、その後に必要最小限の量を注入する方法を検討します。

ただし、二の腕へのヒアルロン酸注入は製剤や使用方法によって国内未承認の適応となる場合があります。また、広い範囲の陥凹には脂肪注入など、別の治療が適していることもあります。


サブシジョンが向いている可能性がある方

  • 脂肪吸引から半年以上経過してもへこみが残っている
  • 腕を動かすと特定の場所が引き込まれる
  • 皮膚をつまんだときに動きにくい
  • 皮膚の下に硬いすじや板状の組織を触れる
  • マッサージを続けても改善が止まっている
  • 脂肪吸引を受けたクリニックで経過観察が終了している
  • 皮膚のたるみより、局所的な引きつれが目立つ

サブシジョンだけでは改善が難しい可能性がある方

  • 二の腕全体の皮膚が大きく余っている
  • 広範囲に脂肪が取りすぎられている
  • 脂肪の取り残しによる盛り上がりが主体
  • 左右で吸引量に大きな差がある
  • 神経症状による痛みやしびれが疑われる
  • 感染、血腫、液体貯留などが疑われる
  • 術後早期で腫れや拘縮が強く残っている

赤み、熱感、強い痛み、急に増える腫れ、発熱などがある場合は、通常の癒着とは異なる可能性があります。サブシジョンを待つのではなく、早めに脂肪吸引を受けた医療機関へ相談してください。


ダウンタイムについて

治療範囲や癒着の程度によって異なりますが、一般的には次の症状が生じることがあります。

  • 腫れ
  • 内出血
  • 痛み
  • むくみ
  • 一時的な硬さ
  • 針穴からの出血
  • 触ったときの違和感
  • 一時的なしびれ

内出血は広い範囲に出ることがあり、落ち着くまで1~3週間程度かかる場合があります。

癒着を解除した部分が再び固定されることもあるため、1回ですべて改善するとは限りません。状態によっては複数回の治療や、ほかの修正治療が必要です。


サブシジョンの主なリスク・副作用

  • 腫れ、内出血、痛み、むくみ
  • 血腫
  • 感染
  • 傷跡、色素沈着
  • しびれ、感覚の変化
  • 血管や神経の損傷
  • 左右差
  • 凹凸の残存または悪化
  • 癒着の再発
  • 効果が不十分である可能性
  • 追加治療が必要になる可能性

上腕には神経や血管が走行しているため、癒着の深さや位置を確認し、安全性を優先して治療範囲を決定します。


よくあるご質問

サブシジョンは1回で改善しますか?

比較的限局した癒着であれば、1回でも変化を感じられることがあります。

ただし、広範囲の癒着や強い線維化がある場合は、一度にすべてを剥がそうとすると出血や新たな凹凸のリスクが高くなるため、複数回に分けて治療することがあります。

脂肪吸引後、いつから受けられますか?

原則として、腫れや拘縮が十分に落ち着いてから検討します。

一般的には術後6か月程度が一つの目安ですが、症状や手術内容によって異なります。術後早期は自然に改善する可能性があるため、診察のうえで適切な時期を判断します。

他院で受けた脂肪吸引でも診察できますか?

他院で脂肪吸引を受けた方の修正相談も可能です。

手術日、吸引した範囲、使用した機器、吸引量などが分かる資料がある場合は、診察時にお持ちください。

マッサージで癒着は治りますか?

術後早期のむくみや軽い硬さは、時間の経過や適切なケアによって改善することがあります。

一方、成熟した硬い瘢痕組織によって皮膚が深部に固定されている場合、マッサージだけでは十分に解除できないことがあります。


二の腕のボコつきは、原因を見極めて治療することが重要です

二の腕の脂肪吸引後に生じるボコつきや引っかかり感は、単に「脂肪が残っている」だけとは限りません。

癒着によって皮膚が深部へ引っ張られている場合、追加の脂肪吸引を行うと、かえってへこみや凹凸が悪化する可能性があります。

反対に、脂肪の取り残しや皮膚のたるみが原因の場合は、サブシジョンだけを行っても十分な改善は期待できません。

当院では、腕を動かしたときの皮膚の変化、癒着の位置、脂肪の厚み、皮膚の余りなどを確認し、

  • サブシジョン
  • 修正脂肪吸引
  • ヒアルロン酸注入
  • 脂肪注入
  • 皮膚の引き締め治療
  • 経過観察

の中から、状態に合った治療をご提案します。

二の腕の脂肪吸引後にボコつき、へこみ、つっぱり、引っかかり感が残っている方は、一度ご相談ください。


治療概要

治療内容
局所麻酔後、皮膚の小さな針穴から専用の器具を挿入し、皮膚を深部へ引っ張っている瘢痕組織や癒着を解除します。

治療回数
通常1回。癒着の範囲や程度によっては複数回必要になる場合があります。

治療時間
約【30-60】分

費用
二の腕サブシジョン:【5cm-5cm】 109,800円、【10cm-10cm】 189,800円 、【15cm-15cm】299,800円
笑気麻酔、局所麻酔代:【費用に含む】
ヒアルロン酸注入を併用する場合:チャウムプレミアム【1cc】19,800円~

主なリスク・副作用
腫れ、内出血、痛み、むくみ、血腫、感染、傷跡、色素沈着、しびれ、感覚異常、血管・神経損傷、左右差、凹凸の残存・悪化、癒着の再発、効果が不十分である可能性、追加治療が必要になる可能性があります。