「また今日も眠れなかった」
「明日も仕事なのに、もうこんな時間」
「布団に入ると、なぜか頭だけが冴えてしまう」
「眠れない自分はおかしいのではないか」
不眠で悩んでいる方は、夜になるたびにこのような不安を抱えていることがあります。
特に、真面目な方ほど自分を責めがちです。
「生活習慣が悪いからだ」
「メンタルが弱いからだ」
「薬に頼るのはよくない」
「これくらい我慢しないといけない」
そう思って、誰にも相談せずに抱え込んでしまう方も少なくありません。
でも、まず最初にお伝えしたいことがあります。
眠れないのは、あなたの意志が弱いからではありません。
気合いが足りないからでもありません。
睡眠の悩みは、非常に多くの方が抱えている身近な問題です。
厚生労働省のe-ヘルスネットでも、一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有しており、慢性不眠症は成人の約10%に見られるとされています。
つまり、眠れないことは特別なことではありません。
夜中に天井を見つめながら「自分だけおかしいのかな」と思ってしまうかもしれませんが、実際には同じように悩んでいる方はたくさんいます。天井と仲良くなりすぎる前に、一度相談していい状態です。
不眠にはいくつかのタイプがあります
不眠といっても、症状は人によって違います。
たとえば、
寝つきが悪いタイプ
布団に入ってもなかなか眠れない。考えごとが止まらない。スマホを見てしまう。明日の予定が気になって頭が休まらない。
夜中に目が覚めるタイプ
一度眠れても、夜中に何度も起きてしまう。トイレに行く。時計を見て焦る。その後なかなか寝つけない。
朝早く目が覚めるタイプ
予定よりかなり早く目が覚めてしまい、その後眠れない。朝方から不安が強くなる。
寝ても疲れが取れないタイプ
睡眠時間は取っているはずなのに、朝からだるい。日中に眠い。集中力が続かない。
このように、不眠には複数のパターンがあります。
厚生労働省の睡眠ガイドでも、睡眠の問題には睡眠環境、生活習慣、嗜好品、睡眠障害などさまざまな要因が関係するとされています。
大切なのは、
「眠れないから薬」ではなく、「どんな眠れなさなのか」を整理することです。
睡眠の悩みは、心と体の両方に影響します
睡眠は、ただ体を休めるだけの時間ではありません。
脳を休ませる。
記憶を整理する。
自律神経を整える。
ホルモンバランスを整える。
免疫や代謝を支える。
睡眠は、体と心のメンテナンス時間です。
そのため、眠れない日が続くと、日中の集中力低下、イライラ、疲労感、気分の落ち込み、仕事のパフォーマンス低下につながることがあります。
「たかが睡眠」と思って我慢している方もいますが、睡眠は生活の土台です。
土台が揺れている状態で、仕事も美容も健康も頑張るのは、充電3%のスマホで動画編集するようなものです。動くには動きますが、いつ落ちるかわかりません。
睡眠薬は悪いものではありません。ただし、使い方が大切です
睡眠薬に対して不安を持つ方は多いです。
「依存しそう」
「一度飲んだらやめられなくなりそう」
「薬に頼るのはよくないのでは」
こうした不安は自然です。
実際、睡眠薬は自己判断で増やしたり、お酒と一緒に飲んだり、長期間なんとなく続けたりするものではありません。
一方で、医師の診察のもとで、症状や体質に合わせて適切に使うことで、つらい不眠を一時的に助けられることがあります。
日本睡眠学会などのガイドラインでも、不眠治療では睡眠薬の適正使用だけでなく、休薬や減薬、睡眠衛生指導なども含めて考えることが重要とされています。
大切なのは、
「薬を飲むか、飲まないか」だけで考えないこと。
なぜ眠れないのか。
どのタイプの不眠なのか。
生活リズムに問題がないか。
不安やストレスが関係していないか。
睡眠時無呼吸などが隠れていないか。
今飲んでいる薬との相性は大丈夫か。
そこを整理して、必要に応じて治療を考えることが大切です。
こんな方は一度ご相談ください
次のような状態がある方は、無理に我慢せずご相談ください。
- 寝つくまでに時間がかかる
- 夜中に何度も目が覚める
- 朝早く目が覚めてしまう
- 寝ても疲れが取れない
- 日中に眠気や集中力低下がある
- 不安や考えごとで眠れない
- お酒を飲まないと眠れない
- 市販薬を続けているが改善しない
- すでに睡眠薬を飲んでいるが、合っているか不安
睡眠の悩みは、早めに相談することで悪循環を止めやすくなります。
まとめ
眠れないことは、恥ずかしいことではありません。
自分を責める必要もありません。
不眠は、多くの方が抱える身近な悩みです。
そして、不眠にはタイプがあり、原因も人によって異なります。
大切なのは、我慢することではなく、今の状態を整理することです。
当院では、睡眠の状態、生活リズム、ストレス、飲酒習慣、現在使用中のお薬などを確認したうえで、必要に応じて睡眠薬の処方を含めたご提案を行っています。
眠れない日が続いている方は、一人で抱え込まずにご相談ください。
