夜中に何度も目が覚めるのはなぜ?中途覚醒の原因と治療を医師が解説

睡眠

「眠りにつくことはできるのに、夜中に何度も目が覚める」
「午前2時や3時に目が覚め、その後なかなか眠れない」
「朝まで眠ったはずなのに、疲れが取れていない」

このような状態は、一般に「中途覚醒」と呼ばれます。

中途覚醒は、ストレスや生活習慣だけでなく、加齢、飲酒、夜間頻尿、痛み、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群など、さまざまな原因で起こります。

また、睡眠薬を服用していても、薬の特徴と現在の症状が合っていなければ、夜中に目が覚めることがあります。

この記事では、夜中に何度も目が覚める原因、生活上の対策、医療機関を受診する目安、睡眠薬を選ぶ際の考え方について医師が解説します。

中途覚醒とは

中途覚醒とは、眠りについた後、夜中に何度も目が覚めたり、一度目が覚めた後になかなか眠れなくなったりする状態です。

睡眠中に一度目が覚めること自体は、必ずしも病気ではありません。人は睡眠中に短い覚醒を繰り返しており、目覚めたことを覚えていない場合もあります。

問題となるのは、中途覚醒が繰り返され、その結果として次のような日中の不調が生じている場合です。

  • 朝起きても疲れが取れていない
  • 日中に強い眠気がある
  • 集中力や判断力が低下している
  • 仕事や家事でミスが増えた
  • 気分が落ち込みやすい、またはイライラする
  • 運転中に眠気を感じる
夜中に目が覚めた回数だけでなく、再び眠るまでにかかった時間や、翌日の生活に支障が出ているかが重要です。

夜中に何度も目が覚める主な原因

1.加齢による睡眠の変化

年齢を重ねると、若い頃に比べて深い睡眠が減り、夜中に目が覚めやすくなる傾向があります。

また、早い時間から寝床に入り、必要以上に長い時間をベッドで過ごしていると、睡眠が分散し、夜中に目覚めやすくなる場合があります。

「眠らなければ」と早い時間から横になるよりも、眠気を感じてから寝床に入ることが大切です。

2.ストレス、不安、考え事

仕事、人間関係、健康、将来への不安などが続くと、身体は疲れていても脳の緊張が十分に下がらず、睡眠が浅くなることがあります。

寝つくことはできても、夜中に目が覚めた瞬間から考え事が始まり、そのまま眠れなくなる方も少なくありません。

不安や気分の落ち込みが強い場合は、不眠だけを治療するのではなく、背景にある心身の状態も確認する必要があります。

3.飲酒や寝酒

アルコールを飲むと、一時的に眠気を感じるため「お酒を飲むと眠れる」と感じる方がいます。

しかし、アルコールは睡眠後半の眠りを浅くし、夜中や早朝に目が覚める原因になることがあります。飲酒量が増えるほど、いびきや睡眠時無呼吸が悪化する可能性にも注意が必要です。

睡眠薬とアルコールを一緒に使用しないでください。
眠気、ふらつき、記憶障害、判断力低下などが強まる可能性があります。

4.カフェインや喫煙

カフェインには覚醒作用があります。コーヒーだけでなく、緑茶、紅茶、エナジードリンク、コーラ、チョコレートなどにも含まれています。

カフェインの影響が長く残る方では、夕方以降に摂取すると、寝つきだけでなく夜間の睡眠にも影響することがあります。

また、たばこに含まれるニコチンにも覚醒作用があるため、就寝前の喫煙が睡眠を浅くする場合があります。

5.夜間頻尿

夜中に尿意で何度も目が覚める場合は、単なる不眠ではなく、夜間頻尿が主な原因となっている可能性があります。

就寝前の水分やアルコールの摂取量だけでなく、前立腺、膀胱、腎臓、心臓の病気、糖尿病、服用中の薬などが関係している場合もあります。

トイレのために毎晩何度も起きる状態が続く場合は、泌尿器科や内科での評価が必要になることがあります。

6.痛み、咳、かゆみ、鼻づまり

腰痛や関節痛、皮膚のかゆみ、慢性的な咳、鼻づまり、胃酸の逆流などによって睡眠が妨げられることがあります。

この場合、睡眠薬だけを追加しても十分に改善しない可能性があり、睡眠を妨げている症状自体の治療が重要です。

7.睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に気道が狭くなり、呼吸が止まったり浅くなったりします。

呼吸が苦しくなるたびに脳が短時間覚醒するため、本人がはっきり覚えていなくても、睡眠が細かく分断されることがあります。

次のような症状がある方は注意が必要です。

  • 大きないびきを指摘される
  • 睡眠中に呼吸が止まっていると言われた
  • 息苦しさや窒息感で目が覚める
  • 朝起きたときに頭痛や口の渇きがある
  • 十分眠ったはずなのに日中に強く眠くなる
  • 運転中や会議中に眠くなる
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、睡眠薬を変更するだけではなく、呼吸状態を確認する検査が必要です。状況に応じて、専門の医療機関をご案内します。

8.むずむず脚症候群や周期性四肢運動障害

夜になると脚がむずむずする、脚の中が落ち着かない、動かさずにいられないという症状がある場合は、むずむず脚症候群の可能性があります。

また、睡眠中に脚が周期的に動き、そのたびに睡眠が浅くなる病気もあります。

これらは通常の不眠症とは治療方法が異なるため、症状に応じた検査や治療が必要です。

9.薬や身体の病気の影響

一部の薬には、眠りを浅くしたり、夜間の覚醒を増やしたりする可能性があります。

また、甲状腺機能の異常、呼吸器疾患、心臓病、糖尿病、更年期に伴う症状などが睡眠に影響することもあります。

市販薬、サプリメントを含め、現在使用しているものは診察時に医師へお伝えください。

10.睡眠薬と現在の症状が合っていない

睡眠薬には複数の種類があり、作用の仕方や持続時間、翌朝への影響などが異なります。

寝つきの悪さを主な目的として処方された薬では、夜間の覚醒が十分に改善しないことがあります。

一方で、作用が長く続く薬を使用すると、翌朝まで眠気やふらつきが残る場合があります。

薬の強さだけで考えるのではなく、次のような点を確認して処方を検討することが重要です。

  • 寝つくまでにかかる時間
  • 夜中に目が覚める回数
  • 再び眠るまでにかかる時間
  • 目が覚める時刻
  • 翌朝の眠気やふらつき
  • 起床後に運転するか
  • 年齢、持病、併用薬
  • 飲酒の頻度や量

午前2時・3時・4時に目が覚めるのはなぜ?

「毎晩午前2時に目が覚める」「朝4時になると眠れない」という相談もあります。

ただし、目が覚める時刻だけで、原因や適切な薬を決めることはできません。

同じ午前3時の覚醒でも、午後9時に就寝している方と、午前1時に就寝している方では意味が異なります。

診察では、次の項目を組み合わせて確認します。

  • 就寝した時刻
  • 実際に眠ったと思われる時刻
  • 目が覚めた時刻と回数
  • 再び眠るまでにかかった時間
  • 最終的に起床した時刻
  • 昼寝の時間
  • 飲酒、カフェイン、服薬の時刻
受診前に1週間程度、就寝時刻、覚醒した時刻、起床時刻、飲酒や服薬の時刻をメモしておくと、診察に役立ちます。

中途覚醒を改善するためにできること

起床時刻を大きく変えない

睡眠のリズムを整えるためには、就寝時刻を無理に早めるよりも、毎日の起床時刻を大きく変えないことが重要です。

休日に長時間寝坊すると、体内時計が後ろにずれ、次の日の夜に眠りにくくなる場合があります。

眠くなってから寝床に入る

「少しでも長く眠りたい」と考えて、早い時間からベッドに入ると、眠れないまま過ごす時間が増えることがあります。

眠気が十分に出てから寝床に入り、ベッドを眠るための場所として保つことが大切です。

目が覚めても時計を何度も確認しない

時計を見るたびに「あと何時間しか眠れない」と焦ると、脳が覚醒し、さらに眠りにくくなることがあります。

時計やスマートフォンを見えない位置に置く方法もあります。

スマートフォンを長時間見ない

夜中に目が覚めたとき、スマートフォンでSNS、動画、仕事の連絡などを確認すると、光と情報の刺激で目が覚めやすくなります。

眠れない場合は、明るい画面を避け、暗めの環境で静かに過ごしてください。

寝酒をやめる

アルコールで寝つけても、睡眠後半が浅くなり、中途覚醒や早朝覚醒が増える可能性があります。

睡眠のために飲酒する習慣がある方は、飲酒量や頻度も含めて医師へご相談ください。

長時間の昼寝を避ける

夕方以降や長時間の昼寝は、夜に蓄積される眠気を弱めることがあります。

日中の眠気が強い場合は、睡眠不足だけでなく、睡眠時無呼吸症候群などが隠れていないか確認することも大切です。

中途覚醒に睡眠薬は効果がありますか?

睡眠薬が治療の選択肢となる場合はありますが、すべての中途覚醒に同じ薬が適しているわけではありません。

当院では、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、翌朝の眠気、これまでに使用した薬、持病、併用薬などを確認したうえで、医師が処方の適否を判断します。

睡眠薬は、大きく次のような種類に分けられます。

オレキシン受容体拮抗薬

覚醒の維持に関係するオレキシンの働きを抑えることで、睡眠を促す薬です。

当院では、デエビゴ、クービビック、ボルズィを取り扱っています。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

脳の興奮を抑える受容体に作用し、睡眠を促す薬です。

当院では、ゾルピデム、エスゾピクロンを取り扱っています。

ベンゾジアゼピン受容体作動薬など

当院では、ブロチゾラム、フルニトラゼパムなどを取り扱っています。

薬によっては、翌朝の眠気、ふらつき、記憶障害、依存、離脱症状などに注意が必要です。

夜中に目が覚めた際、自己判断で睡眠薬を追加服用しないでください。
残りの睡眠時間が短い状態で追加すると、翌朝の強い眠気、転倒、判断力低下、交通事故などにつながる可能性があります。

このような場合は医療機関へご相談ください

  • 夜中に何度も目が覚める状態が続いている
  • 一度目が覚めると、なかなか再入眠できない
  • 中途覚醒によって日中の生活に支障が出ている
  • 睡眠薬を飲んでも改善しない
  • 自己判断で薬を増量または追加している
  • 睡眠薬を飲んだ後の行動を覚えていないことがある
  • 翌朝の眠気やふらつきが強い
  • 大きないびきや睡眠中の呼吸停止を指摘された
  • 脚のむずむず感や、脚を動かしたい感覚がある
  • 不安や気分の落ち込みが続いている
  • 寝酒をしないと眠れなくなっている

意識がもうろうとしている、呼吸が苦しい、転倒した、処方量を大きく超えて服用した、自分を傷つける危険がある場合は、通常の予約を待たず、救急医療機関へご相談ください。

夜中に何度も目が覚める方へ

中途覚醒の原因は、睡眠薬の種類だけでは判断できません。
現在の睡眠状態や生活習慣、服用中の薬を確認し、医師が治療方法をご提案します。

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プライベートクリニック恵比寿の取り扱い薬剤と料金

当院では、患者様の症状、服薬歴、持病、併用薬、翌朝の生活などを確認し、医師が処方の適否を判断します。

ご希望の薬が必ず処方されるわけではありません。診察の結果、処方を行わない場合や、検査が可能な専門医療機関をご案内する場合があります。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

薬剤名 内容量 料金
ゾルピデム5mg
マイスリージェネリック
30錠 5,980円
ゾルピデム10mg 30錠 9,980円
エスゾピクロン1mg
ルネスタジェネリック
30錠 5,980円
エスゾピクロン2mg 30錠 6,980円
エスゾピクロン3mg 30錠 7,980円

抗不安薬・ベンゾジアゼピン受容体作動薬など

薬剤名 内容量 料金
エチゾラム0.5mg
デパスジェネリック
30錠 3,980円
エチゾラム1mg 30錠 4,980円
ブロチゾラム0.25mg
レンドルミンジェネリック
30錠 4,980円
フルニトラゼパム1mg
サイレースジェネリック
30錠 9,980円

オレキシン受容体拮抗薬

薬剤名 内容量 料金
ボルズィ5mg
一般名:ボルノレキサント
30錠 7,980円
ボルズィ10mg 30錠 11,980円
デエビゴ5mg
一般名:レンボレキサント
30錠 8,980円
クービビック50mg
一般名:ダリドレキサント
30錠 11,480円

※料金や取り扱い状況は変更になる場合があります。
※処方には医師の診察が必要です。
※診察の結果、ご希望の薬剤を処方できない場合があります。
※薬剤の種類、用量、併用の可否は医師が判断します。
※妊娠中・授乳中の方、持病がある方、ほかの医療機関から薬を処方されている方は、診察時に必ずお申し出ください。

当院の診察で確認する内容

  • 寝床に入る時刻と実際に眠る時刻
  • 夜中に目が覚める回数と時刻
  • 再び眠るまでにかかる時間
  • 起床時刻と翌朝の眠気
  • 日中の眠気や仕事への影響
  • 現在使用している睡眠薬
  • 過去に使用した薬とその効果
  • 飲酒、カフェイン、喫煙の習慣
  • いびきや睡眠中の呼吸停止
  • 夜間頻尿、痛み、かゆみなどの症状
  • 不安、ストレス、気分の落ち込み

お薬手帳や、現在服用している薬が分かるものをお持ちください。市販薬やサプリメントについてもお伝えください。

中途覚醒についてよくあるご質問

Q.夜中に一度目が覚めるだけでも不眠症ですか?
A.一度目が覚めても、すぐに再び眠ることができ、翌日の生活に支障がなければ、必ずしも不眠症とは限りません。繰り返し目が覚める、再入眠できない、日中に不調がある場合はご相談ください。
Q.午前3時に目が覚めるのは、自律神経の乱れですか?
A.目が覚める時刻だけで原因を判断することはできません。就寝時刻、飲酒、ストレス、睡眠時間、夜間頻尿、睡眠時無呼吸症候群など、複数の要因を確認する必要があります。
Q.中途覚醒にはデエビゴやクービビックが適していますか?
A.オレキシン受容体拮抗薬は不眠症治療の選択肢ですが、特定の薬がすべての患者様に適しているわけではありません。翌朝の眠気、持病、併用薬、飲酒、生活リズムなどを確認して医師が判断します。
Q.夜中に目が覚めたとき、睡眠薬を追加してもよいですか?
A.自己判断で追加服用しないでください。翌朝まで薬の影響が残り、強い眠気、ふらつき、転倒、判断力低下などにつながる可能性があります。
Q.寝酒をやめると、かえって眠れなくなりそうで心配です。
A.飲酒が習慣化している方が急に中止すると、状態によっては不眠や不安が強くなる場合があります。飲酒量が多い方や毎日飲んでいる方は、自己判断だけで対応せず、医師へご相談ください。
Q.希望する睡眠薬を処方してもらえますか?
A.薬の処方は、診察を行った医師が医学的に必要かつ安全と判断した場合に限ります。ご希望の薬剤を処方できない場合や、別の治療・検査をご案内する場合があります。

中途覚醒を我慢し続けていませんか?

夜中に何度も目が覚める原因は、人によって異なります。
現在の症状や服薬状況を確認し、治療方法を一緒に検討します。

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プライベートクリニック恵比寿
医師が診察のうえ、症状や服薬状況に応じて治療をご提案します。

監修
プライベートクリニック恵比寿
院長 美山 承哲

参考資料

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断や処方を行うものではありません。症状や薬剤の適否は患者様ごとに異なります。服用中の薬については、自己判断で増量・中止せず、処方した医師または薬剤師へご相談ください。

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